安定した自立のための関節強化と重量対策
『機動戦士ガンダムAGE』全編を通じて登場するガンダムAGE-1が三世代編で全身に装甲や武装を追加してパワーアップした姿「ガンダムAGE-1 フルグランサ」がMGキット化。追加装甲やグラストロランチャーを新規造形で再現し、AGE-1本体をアップグレードさせるパーツが付属する。キットはAGE-1と追加武装がセットになったデザイナーズカラーVer.と別売りのMGガンダムAGE-1ノーマルに装着できる拡張パーツの2種が発売。作例は後者の組み合わせで仲井望が製作し、各部のディテールアップと背面武装を考慮した関節強化などの重量対策を行った。
AGE-1G GUNDAM AGE-1 GLANSA
▲ガンダムAGE-1フラットに装甲を追加し、両腕には攻防を兼ねたシールドライフルを装備する
▲両肩、両脚に計6門のミサイルランチャーを装備。各ハッチが開閉可能で、脚部はミサイルが着脱可能
▲全身に追加装甲が施されたことで圧倒的にボリューム感が増したガンダムAGE-1 フルグランサ。MG AGE-1本体は10年前に発売されたキットながら、昨今のキットに見られるメカニカルな造形を取り入れつつも、パーツ数を抑えた組み立てやすさも考慮されたものになっている。また、今回の追加パーツもユニットごとに組み立てることができるものとなっており、見た目のボリュームに反して組みやすい仕様なのが嬉しい
▲外装はモールドを彫り直して丁寧に整形。腹部関節部が新規パーツになっており、肉抜きをエポパテで埋めてジョイントに真鍮線を通して補強した
▲腹部関節の胸側受け部はポリパーツからプラパイプに交換して強度アップ。肩関節はMGガンダムAGEIIマグナムを参考に、プラパイプ＋KPSランナーを使用して軸関節構成に変更している
▲腹部関節腰側受け部も胸部同様に工作。股関節の軸受け部ポリパーツはKPSランナータグとプラ板の積層で自作したものに交換し、可動部は接続軸を1mm延長してから中に真鍮線を通して補強している。フンドシ上部の赤いパーツは上面にプラ板を貼って大型化した
▲靴部はつま先内部にメタルボールを仕込んで本体の重量をアップ。つま先とかかとはプラ板とエポパテで囲ってひとまわり大型化し、設定画の形状に近づけつつ靴部の設置面積を広げているAGE-1F GUNDAM AGE-1 FLAT
▲ガンダムAGE-1 フラットはAGEシステムを切り離して運用できるように改良された機体
▲シールドライフルはブレード部分を削り込んでシャープ化。上下端の肉抜きはプラ板と瞬間接着剤、エポパテで埋めた
▲各追加装甲は整形と嵌合部の調整を行い、目立つ肉抜きをエポパテで埋めている
▲ガンダムAGE-1 フラットにゼフルドランチャーを装備した姿。ガンダムAGE-1 フルグランサはHGシリーズで発売されているが、ゼフルドランチャーのプラキット化は今回が初となる。キットには安定して立たせるための補助用支柱が付属
▲グラストロランチャー基部は丁寧に整形して、造形が甘い凹モールドは下部を一度削ってからプラ板を貼って形状をくっきりさせている。使用しない接続穴はプラ板で埋めてディテール化し、グリップの肉抜きはエポパテで埋めた
▲グラストロランチャーの先端部を交換することでゼフルドランチャーを再現。基部はグリップが展開し、グラストロランチャーは砲身部が上下に展開するギミックを搭載。ゼフルドランチャーは発射口のハッチが開閉し、ミサイルが着脱が可能
▲キット素組み（左）との比較。キットの形状は良好で、一見しただけでは合わせ目や肉抜きがほぼ露出しない完成度の高さ。作例は関節強化で安定した自立をさせるのと、頭部アンテナのシャープ化や一部甘く感じるモールドの彫り直しなどで形状をくっきりさせている
▲キット段階でも関節を強化するアップグレードパーツが付属しているが、作例の工作でさらにポージング時の強度が高まった。ビームサーベル用のビーム刃はシールドライフルの砲口に装着することができる■AGE-1の決定版!!
『機動戦士ガンダムAGE』10周年となった2021年、その記念アイテムとしてなのか待望のフルグランサがMGキットで登場。しかも、アセム編以降の装備一式が付属する豪華仕様というファンなら納得の一品。強いてあげれば大人フリットのパイロットフィギュアが付属していない程度です（ちょっと欲しかった）。キット化の報を受けてからすぐに担当殿に連絡、志願して製作させていただきました。作例では付属する支柱を使用せずに自立できるように各関節をプラ材＋KPSランナーに変更して強度を高める工作を行いました。また、設定画を参考に若干のプロポーション変更も行っています。
■塗装
主にガンダムカラー、Mr.カラー、ガイアカラーを使用。歴戦の勇姿をイメージして、すべて黒サーフェイサーを下地に渋めに仕上げました。また、各装備の換装を考慮して擦れる部分は無塗装、もしくは塗膜分のヤスリがけを行ったうえで完成後にモデリングワックスを塗っています。
白＝ピュアホワイト＋ニュートラルグレーI＋ネイビーブルー（少量）
青＝パープル→MSブルーZ系＋コバルトブルー
赤＝パープル→モンザレッド＋MSレッド
黄＝パープル→イエローFS13538＋ピュアホワイト
グレー＝ニュートラルグレーIV＋MSグレージオン系＋ウイノーブラック
黒＝ミッドナイトブルー
グランサ青＝パープル＋MSブルーZ系＋ニュートラルグレーIV
グランサグレー＝ピュアホワイト＋ニュートラルグレーI＋パープル（少量）
付属のデカールを貼って（今回は拡張パーツ付属のものを使用）、仕上げにスーパークリアーIII＋フラットクリアーで半光沢寄りにツヤを整えて完成です。
こうなると欲しくなるのはAGE-FXですよね。BANDAI SPIRITSさん、トリプルガンダム期待しております!!
